「青木さん家の奥さん」倉敷公演が、無事終了いたしました。

昨日のブログで紹介した「ビールケース」。実は、あれは舞台美術でした。
この公演は「大道具」がそもそも無く、酒屋の倉庫という場面を演出していたのは、ビールケースそのものだったのです。今回は200箱ほど使いました。舞台が大きかったので、足りないところはロッカーや掃除道具などを現地調達して、雰囲気をだしていたのですが、倉庫に見えたでしょうか?
「青木さん家の奥さん」は即興演劇として大変有名な舞台ですが、これがそういうものだと知らずに来ていただいたお客様は、とても驚かれたでしょうね。逆に、即興演劇だと知って来ていただいた方は、どのような感想を持っていただいたでしょうか?思っていたようなものだったでしょうか?
いずれにしても、観ていただいた皆さんが一番気になったのは、「どの部分が決まっていて、どの部分がアドリブだったのだろう?」ということではないでしょうか。何も決まっていないはずは無いですよね。「どうやら進行役のような人がいる」とか、「稽古でネタあわせをしているのでは」とか、「話をふる順番ぐらいは決まっているでしょう」とか、思いませんでしたか。
実際のところは、どうなんでしょうね。知りたいですよね。でも、これって、とても気になるけど、分からない方がおもしろいかもしれないですよね。既定の部分と即興の部分の区別が曖昧なところに、きっと、おもしろさがあるのですよ。
演出家であり、今作にもご出演いただいた内藤裕敬さんは、常々そのようなことを語っておられて、それは即興演劇という舞台に限らず、演劇全般に共通していることだと思います。役者の台詞で全てを説明してしまうことは簡単だけど、それって、おもしろくないかもしれない。台詞から読み取れる、その裏側にあるものを観客が想像してくれたら、その想像がとんでもない方向に膨らんでいく可能性もあるし、その方が案外おもしろいかもしれないと。
今回の舞台でも、オープニングで芋のプレゼントをめぐる新人と先輩のやりとりの場面では、みなさん色々なことを想像しませんでしたか?こういう部分に、内藤さんの演出のおもしろさを感じます。
12月には、芸文館アイシアターで
南河内万歳一座の本公演「大胸騒ぎ」が予定されております。内藤裕敬さんの作・演出という部分は今回と共通しておりますが、「大胸騒ぎ」はきちんと台詞が決まっている舞台です。それに舞台も照明も音響も、隅々まで作り上げられた舞台となります。しかしながら演劇そのものは、即興的な発想で作り上げられたものです。

どのように違うのかは、ぜひご自分の目でお確かめになってください。